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世界の水不足問題とは

水資源が豊かな日本にいると実感しにくいのですが、世界は深刻な水不足に陥っています。水不足となった原因は主に2つです。

まず一つ目が地球規模で見たら「人口が爆発的に増加」していること。少子化の問題に悩まされる日本国内にいるとピンとこないかもしれませんが、世界の人口は増えています。2019年の国連の報告書によれば、出生率自体は世界的にみても低下の傾向にあります。

しかし平均寿命の延長が進んでいます。そのため、1960年では30億人だった世界人口は現在では77億人です。さらに今後2050年には、97億人へと増加し続ける見込みです。100年もしない短い期間に、世界の人口は3倍にまで膨れ上がってしまったのです。人口が増えれば、飲み水だけではなく生活用水や工業用水、さらに発電用の水の使用量までも増加します。

そして二つ目の理由として「気候の変動」があります。資源として活用できる水の量は降水量が大きく左右しますが、最近の異常気象により降水量にも変動がみられます。さらに地球温暖化によって積雪量が減り氷河が溶け、水資源に影響を与えています。

人口が増え、それにより必要とされる水の量が増えたのに、気候変動の影響で水の確保が難しくなり、人類は深刻な水不足に陥りました。

水が不足するとどのようなことが起きるでしょうか。水不足が引き起こす最も深刻な問題は食料不足です。実は地球上で利用される水の大半は農業によって利用されています。食物を育てるためには、大量の水が必要です。豊かな水がなければ農作物も育ちません。水不足は食料不足を引き起こします。現在も食料不足に苦しむ国は存在していますが、これからますます世界的な食料不足は加速していくことが予想されます。

また国境をまたぐような大きな川に水資源をたよっている地域では、水不足による紛争も引き起こされます。川の上流にある国がたくさん水を使ってしまったら、下流にある国には水が行き渡りません。水は人々の生命線です。足らなくなれば奪い合いが発生します。

現在世界の7億人が水の足りない生活を余儀なくされています。私たちには何ができるでしょうか。日本は水が豊かだから、日本の水を足りていない地域に運ぶ?それは現実的ではありません。水は循環する資源です。私たちにできることは資源を大切にすることで他国の水を奪わないことです。

食料をはじめ、日本は生活の多くを輸入に頼っています。そしてその製品や食料を作るためには現地の水が使われています。水の足らない地域で水を使って作られた製品は、水の豊富な日本で消費されています。

物も食料も大切にしましょう。地球規模のリサイクルに意識を向けましょう。そしてもちろん私たちに与えられた水資源を大切にしましょう。